ブログ美術館について ①

 今まで決してパソコンに近寄らなかった私が、この春突如ブログなど始めたのは、今回の個展がきっかけでした。作品についての問い合わせにお答えしたり、自分からコメントを発信するのに、ブログは最適でした。ハイテクアレルギーには恐ろしく高い敷居でしたが、何しろ写真で作品を簡単に公開できるというのは便利です。造ってもなかなかまとめて発表する機会が無い人間にとって、好きなときに画像と言葉だけでも出せるのは有り難いことです。しかも思いついてから、料理してテーブルにのせるのが早い。慣れてしまえば、せっかちな私にはうってつけでした。
 市場に迎合する必要がないのも助かります。作品を広く公開しようと思ったら、やりたくないこともやらなきゃなりません。時には魂を売る営業もあるでしょうし、無意味なコードに縛られて思うように自分の言葉で語れない場面もあるかも知れません。余計なことに煩わされず、わかる人にだけ見てもらえばいいというのは、私にとって何とも贅沢な媒体です。

 さて、一ヶ月間の個展が明日で終わります。遠くからわざわざ訪ねてくださった皆様、励ましの言葉や感想を書いてくださった皆様、そして美術館のスタッフの方々、どうもありがとうございました。私はこれから朝来まで、作品を片付けに行って参ります。祭りの後のちょっぴり寂しいドライブになりそうです。