壜、ジョッキ


1990年 27cmx22cm 紙、ペン、水彩
 部屋にあった酒壜、空瓶、ジョッキを集めて、適当にペン描きしたものにざっと着彩しました。綺麗な青いビンはドイツ・フランケン地方(?)のワインボトルです。「ドイツでは、グリーンがモーゼル、茶色はラインと、地域ごとにボトルの色が違うんだ。」と当時、ドイツの友人から聞いた覚えがあります。
 手前のジョッキはViennaの蚤の市で見つけてきました。買ってからそろそろ四半世紀ですが、今も私の部屋にあります。表に拙い花の絵があるハンドメイドの焼き物は、それ程価値が高いものとは思いませんが、(ヨーロッパの人たちがそれを尊ぶかどうかはともかくとして)貫入だけはなかなか見事です。
 こんな手すさびに描いたような静物画ですが、あの頃の感覚や記憶は絵の中にたっぷり含まれているらしく、見ていると次々に昔の色々なことを思い出すのが不思議です。