白糸の滝


2017年 33cmx25cm 紙、鉛筆、水彩
北口本宮に行った足で、名物の吉田うどん屋に入り、せっかくなので富士宮の本宮も訪ねてみることにしました。静岡側に移動すれば富士山が見えるかもしれないと淡い期待もあったのですが、そんなはずはなく、やはり何処から見ても富士は雲の中でした。
途中で白糸の滝の案内標識が目に付いたので、寄ってみました。前にも来たことがあるか、ないか、滝の前に立ってもはっきり思い出せません。崩壊していく脳細胞を繋ぎ止めるためにも、ここはやはりスケッチしておく必要があるようです。
平日だからか、アジア系の外国人観光客ばかり、引っ切り無しにやって来ては、賑やかに写真を撮って行きます。自分も台北済州島でこんな風にはしゃいでいた覚えがあるので、嬌声の中、じっと石になって描き続けました。それでも時々人波が引けると、辺りは一変し、滝の音と飛沫に満ちた、荘厳な空気に支配されるようでした。呆気ないぐらい舗装道路のすぐ下に現れる白糸の滝ですが、その姿はあくまでも気高く、名瀑と言うだけの事はあると思いました。