鹿島神宮奥宮

2024年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩

 鹿島神宮の楼門から本殿を過ぎて、しばらく原生林の参道を歩いて行くと、奥宮があります。関ヶ原の戦勝御礼として徳川家康から奉納された、元の本殿です。檜皮の屋根が葺き替えられたばかりで、とても400年以上前に建てられたとは見えない、美しく瀟洒な社です。この絵は、いつの間にか向かいにできていた、小洒落たカフェの軒下のベンチを借りて描きました。ちょっと雨模様だったので、助かりました。やや粗い仕上がりなのは、本格的に降ってくる前に退散したためです。

 奥宮から裏にまわって少し行くと、有名な要石(かなめいし)があります。地上に出ている部分はちょっとだけですが、掘っても掘ってもその根の終わりには辿り着かない巨石なんだそうです。水戸光圀の命令で沢山の人足が一週間ぶっ通しで掘削しても掘り出せなかったという伝説が残っています。権力者をからかう様な、ちょいと痛快な話ではあります。