三階の空

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2019年 33cmx23cm 紙、鉛筆、水彩

 日常の景色にも、充分絵になる面白さが潜んでいました。雲などは一つとして同じものがなく、既に季節がその内に含まれているので、何度描いても飽きません。ただし、次々に形を変えるので、絵にしようと思ったら、のんびりして見えるその姿に反して、結構な瞬発力が必要ですが。

 少しの油断でするっと逃げてしまいそうになる空の風景を、現実に繋いでおくためには、地上の描写も重要です。どこに結び目(消失点の位置)を持ってくるかで、絵の雰囲気が決まります。地面から見上げるのではなく、3階の窓から見晴るかす、武蔵野の地平線ばかりを、ここ最近の自分が追いかけていることに、今気付きました。