空とコキアと蕎麦の花(国営ひたち海浜公園)

2022年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩

 笠間日動美術館まで修繕する作品の回収に行ってきました。作品二つを まだ人が少ない朝の内に車に積み込んでから、開催中の「夭折の画家たち-青春群像-」展を観せてもらいました。佐伯祐三、中村彝、関根正二、松本竣介、荻原守衛らの秀作ばかり、数点ずつ集められていて、なかなか見応えがありました。そう言えば、昔の職場の近くに佐伯祐三の旧居を保存した公園がありましたっけ。でも中村彝があの辺りに住んでいたことは知りませんでした。近くにはトキワ荘もあったし、なかなか文化的な地域だったんだなあと、懐かしい下落合を思いながら、展示を観て廻りました。

 美術館を出て時計を見るとまだ昼前でした。せっかくここまで来たのだからと寄れる所を地図で探し、割と近いことに気づいたのが国営ひたち海浜公園でした。テレビではよく観ていましたが、実際に訪れたのは初めてです。同じ国営で園内の雰囲気が似ている昭和記念公園も大きいのですが、ひたち海浜公園は更に呆れるほど広大でした。取り敢えず、紅葉が始まった人気のコキアを観てみようと、みはらしの丘を目指しました。春は青いネモフィラで埋め尽くされる広い丘が、今は丸っこくてひょうきんなコキア群植地になっています。紅葉はまだ始まったばかりでしたが、緑から赤のグラデーションが美しく、雲や空と対比して面白い風景をつくっていました。太平洋を臨む丘の麓は一面の蕎麦畑で、小さな白い花が今、丁度満開でした。