角川武蔵野ミュージアム

2022年 25cm×33cm 紙、鉛筆、水彩

 この夏、ちょっと気に入って何度か行った場所の一つが所沢の角川武蔵野ミュージアムです。道々、この建物がいきなり視界に入ってくると、おおっ!と気圧されるほどの存在感があります。切り出した花崗岩で覆われた巨大な脳みたいな塊は複雑な多面体になっていて、太陽の位置により色や陰影が刻々と変化します。どの場所から見ても同じ表情がなく、まさに迫力満点の抽象彫刻でした。

 入館料はやや高めですが、中のスペースも面白く、特に上の階の天井まで本棚の空間は壮観です。松岡正剛館長監修の本棚ストリートは適度なカオスが心地よく、一日中いても飽きません。途中で小一時間、この絵を描くため真夏の戸外に出た以外は、本に囲まれた快適な館内でのんびり過ごしました。結局、夏休みの一日、娘と朝から夕方までずっとここにいたことになります。そう考えると案外安い娯楽施設かもしれません。