本山興正寺

2022年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩

 春休み中、修学旅行の下見で奈良・京都に行ってきました。中学校の教員をしていると、だいたい3年に一度は順番が回ってきます。ここ2年間はコロナ禍で宿泊行事そのものが中止になっていますが、もしこの6月 無事に実施できれば、私にとっても3年振り、教員として通算13度目の修学旅行となります。そして、恐らく生徒と一緒に京都・奈良に行くのはこれが最後になります。

 今回の下見では、せっかくなので薬師寺を訪れ、修復の終わった東塔や薬師三尊を拝んできました。かなり久しぶりに「凍れる音楽」の水煙を見上げて、感慨に耽ってきました。

 奈良では、平日だったこともあり空いていたので、東大寺三月堂の不空羂索観音をじっくり観ることができました。いずれ自分の制作の参考になりそうです。

 奈良の宿との打合せを終え、京都に着いたのは夕方6時頃でした。宿は駅から徒歩で10分くらい、西本願寺向かいの好立地にありました。翌朝、いつも通り早く目覚めてしまったので、部屋の窓から大通り越しに描いたのがこの絵です。建ち並ぶ立派な堂宇はさすが西本願寺だと思い込んでいましたが、よくよく見ると「本山興正寺」とありました。北隣の西本願寺と共にこの地に移ってきた、親鸞開基の由緒正しいお寺だそうです。

 この日は結局、東山から南禅寺、哲学の道を北上して法然院まで徒歩で巡りました。桜も筍もあって、やはり春の京都はいいなあ、と実感した一泊旅行でした。